チカーノ・ソウル〜アメリカ文化に秘められたもうひとつの音楽史(初版限定ハードカバー仕様)
ルーベン・モリーナ 著 宮田信 訳 メキシコ系アメリカ人たちによる魂の音楽=チカーノ・ソウル。 全音楽&レコード・ファンも必読! アメリカ・ポピュラー音楽史に隠されてきたもうひとつの音楽ストーリー! 「こんな町にもこんな録音があったんだよ!」 「まるで音楽の路地から路地へと彷徨っているかのようにみえた。その路地とは、チカーノ・バリオの「記憶」とも言い換えられるだろう。もしルーベンが彼らの証言を拾い上げていなければ、その記憶は時代の彼方に葬られてしまったのだ。そんな各バリオのなかの小さなブロックで起きた小さな音楽のトピックスを繋いでいった結果、当時のチカーノたち自身も掌握し得なかった豊穣な音の鉱脈を発見して、ルーベンはそれを「チカーノ・ソウル」と呼ぶことにした。それは音楽そのものでもあり、またチカーノたちの「魂」のことも文字通り示唆している。」(訳者あとがきより) 黒人音楽とメキシコ伝統音楽の狭間で密かに生まれた、至宝の音楽文化であるチカーノ・ソウル。 ロサンゼルスのメキシコ系居住区=バリオで育ったヴァイナル・ディガーのチカーノで、本書著者のルーベン・モリーナ氏は、アメリカ南西部を廻り今まで広く知られることなく残されていたチカーノたちによる珠玉のR&Bを次々と発掘。ルーツである40年代のパチューコ音楽から70年代公民権運動を背景に登場したラテン・ロックまで、その膨大な鉱脈を紹介する入魂の音楽ガイドブック。巻末には原著・再発本未掲載データを追加した最新ディスコグラフィーも掲載。初版限定ハードカバー仕様。 (サウザンブックス) ■目次 はじめに 日本の読者へ(ルーベン・モリーナ) <ビートに乗っかれ:初期影響とパイオニアたち> パチューコの時代/ホンキン・ホーンズ/ギル・ベルナル/ジャガーズ/チャック・リオ/リッチー・ヴァレンス/リリックス/ロイヤル・ジェスターズ/フレディ・フェンダー/サングロウズ <サムシング・ガット・ア・ホールド・オン・ミー:サンアントニオ> ウェストサイド・サウンド/サングロウズ/サニー&ザ・サンライナーズ/ロイヤル・ジェスターズ/ダニー&ザ・ドリーマーズ <シェイク・シャウト&ソウル:南カリフォルニア> 南カリフォルニア/ロージー/ペレス・ブラザーズ/セヴィルズ/クリス・モンテス/イースト・ロサンゼルス/ロマンサーズ/ブレンデルズ/カニバル&ザ・ヘッドハンターズ/リトル・レイ&ザ・プログレッションズ/サンゲイブリエル・ヴァレー/ヴェルヴェティーンズ/ストーリーテラーズ/プレミアーズ/VIPs、エル・チカーノ <クレイジー・クレイジー・ベイビー:テキサス・ソウル> テキサス中部、ダラス/フォートワース/ジュニア&ザ・スターライツ〜ラテングロウズ/リトル・ジョー&ザ・ラティネアーズ/ヘイ・ポーラ/ブロークン・ハーツ/南テキサス/テックス・メックスの影響/クエスチョンマーク&ザ・ミステリアンズ/サム・ザ・シャム&ザ・ファラオス/エルパソ・サウンド/エルパソ・プレミアーズ/ジャイヴズ/ヒューストン <ソウル・サイド・オブ・ザ・ストリート:フェニックスとアルバカーキ> フェニックス/アルバカーキ/フレディ・チャベス/ジ・チェッカーズ/ランス・レコード/シェルトンズ/トミー・G&ザ・チャームズ/アル・ハリケーン <私はチカーノ:ブラウン・プライド> 政治への目覚め/テキサス:過去への回帰/ロサンゼルス:ラテン・ロックとラテン・ジャズ/エル・チカーノ/リトル・ジョー・イ・ラ・ファミリア/マコンド/ティエラ おわりに チカーノ音楽を理解するための用語集(宮田信) 索引〈人名、グループ名、事項〉 ディスコグラフィー(原著・再発本未掲載データ追加最新改訂版) 訳者あとがき(宮田信) 著者:ルーベン・モリーナ Ruben Molina ソウル音楽コレクターであり優れた在野の学者、DJでもある。10代だった1960年代から蒐集してきたメキシコ系アメリカ人とソウル音楽のコレクションを所有。主な著作に『ジ・オールド・バリオ・ガイド・トゥ・ロー・ライダー・ミュージック』(2000年)、『チカーノ・ソウル:レコーディングス・アンド・ヒストリー・オブ・アン・アメリカン・カルチャー』(2008年)。PBS制作ドキュメンタリー映画『チカーノ・ロック』に共同プロデューサーとして参加した他、ラティーノたちのポピュラー音楽にスポットを当てたスミソニアンによる展覧会『アメリカン・サボール』、映画『ラテン・ミュージックUSA』などの制作にも携わる。短編ドキュメンタリー映画『ソウル・オブ・リンカーンハイツ』(2018年)の脚本と制作を担当。 訳者:宮田信 Shin Miyata 東京・調布に生まれる。大学在学中にイースト・ロサンゼルスに滞在。帰国後、六本木WAVE、BMGジャパンを経て1999年、チカーノ音楽を中心にしたレーベル/ディストリビューター、BARRIO GOLD RECORDS/MUSIC CAMP, Inc.をスタート。これまで500を超えるタイトルを扱ってきた。チカーノ・バットマン、ジョー・バターン、エル・ハル・クロイなどのアーティスト招聘も手掛ける。ラジオや雑誌などを通じてのチカーノ文化の紹介を長年にわたって行ってきた。ロサンゼルスの全米日系人博物館により制作された短編記録映画『アワ・マン・イン・トーキョー』(2018年、監督:アキラ・ボック)は宮田の活動を追ったもので、アメリカ、日本、メキシコなど多くの映画祭で紹介されている。 A4判上製/152ページ(カラー128ページ) 初版限定ハードカバー仕様 改訂版ディスコグラフィー掲載 編集=原島康晴 造本=桜井雄一郎 翻訳協力=岡本美穂 Format:BOOK Label:THOUSANDS OF BOOKS (JP)