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熊沢倫行 / 聴沈

型番 LA-24305
販売価格 1,000円(税込)
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「ディープ・リスニング」に焦点をあてた文筆集。著者は現在のクラブ・シーンに定着しつつあるリスニング系パーティに長きに渡り足繁く通っており、耳を澄ますことで広がる聴覚的世界にさまざまな角度から言葉で迫っている。常識的なのか、常軌を逸しているのか。どこから読んでも構わない詩、小説、エッセイ、散文など48編を収録。文庫本サイズのペーパーバック。280ページ。表紙デザインはChee Shimizu氏。
(リリースインフォメーションより)

〈収録作品一例〉
「風鈴狩(ふうりんがり)」(小説)
「ミニマル・ミュージック」(詩)
「聴き続ける老人」(エッセイ)
「砲声」(小説)
「ECMっぽい話」(ノンフィクション)など多数

〈著者からの言葉〉
何も見えない暗闇の中で私は立ち往生していた。どこに向かって歩けばよいのやらまるで分からず途方に暮れていた。

そのときだ。突然肩を叩かれて振り返ると提灯を持った一人の男、だろうか、いや女だろうか、わからない、何者かが立っていて、その提灯を私に差し出してくれた。

手に取ると、照らし出される辺りの様子。草木花々私自身の影、そしてどこかへと続く道。今までは視覚的に把握することのできなかった世界が浮かび上がり私はようやく前に進むことができた。

提灯は闇夜を照らしてくれる。では「聴沈」(ちょうちん=深く聴き沈むことを意味する造語)は何を照らしてくれるのだろうか?

静寂とは世界の輪郭であるー。という言葉がある日、ふと思い浮かんだ。耳を澄ますと今まで息を潜めていた世界の輪郭が露わになる。森羅万象が呼吸をするかのように鳴り始めて聴覚的な世界が浮かび上がる。

これは詩的な表現を弄んでいるのではない。例えば、誰しも自分自身の心の内側に耳を澄ました時に、その奥底から自分自身ですら把握していなかった思いや考えが聞こえてハッとした経験はあるはずだ。

同じことは心の内側だけでなく外側の世界においても起こりうる、と私は仮定するのではなく、断定する。

私は物心が付いた頃から耳を澄ますことによって世界を広げ、その世界に飛び込み、その新しい世界でまた耳を澄ますことによってその境界を広げてきた。そうすることを繰り返してきた。聞くことは受動的な態度ではなく、積極的な行為であることはもはや言うまでもない。

この本に収められている詩、散文、小説などはどれも私自身が身体の内側と外側に耳を澄ますことによって獲得した言葉で綴られている。(その意味で私はこの本を決して「書く」ことはなかった)。

この「聴沈」の灯が読者に継がれて、今度は読者自身が己の「聴沈」でもって世界を広げるきっかけとなることを望んでいる。(熊)

Format:BOOK
Label:-


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