型番 LA-21309 販売価格 2,450円(税込) 購入数

F For AcheはMarnie、Doug Harvey、Dani Tullの三名から構成される。メンバーそれぞれが、独自の活動を行って来た美術作家だ。Marnieは美術作家としてはフル・ネームのMarnie Weberを、音楽家としてはMarnieを名乗る。トリオの内では彼女がこれまで音楽活動が最も盛んだったように思う。1979年から1987年までは、日本においてAmon Düülと比較されたこともあるParty Boysのベース奏者として活動した。1988年からはソロ・ミュージシャンとして活動し、1990年に“Songs Hurt Me”、1991年に“Woman With Bass”、1996年に“Cry For Happy”と、3枚のアルバムを残した。2004年にはベスト・アルバム“Songs Forgotten. The Best Of Marnie”を発表している。

Destroy All MonstersのメンバーだったJim Shawは彼女の夫だ。彼ら夫婦はThe Perfect Meというデュオを結成し2002年に“The Very Best Of... The Perfect Me”というCDを発表した。2007年にMarnieは後にF For Acheのメンバーと成るDani Tull他3名と共にThe Spirit GirlsとしてCD“Forever Free...”を発表してもいる。F For AcheのこのCD-Rアルバム“Faüxmish”は2011年に発表されているから、流れとしてはThe Spirit GirlsのコネクションにDoug Harveyが合流してF For Acheが成立したのではないのかなと想像する。ともあれCD-Rとは言え“Faüxmish”のカヴァー・デザインは魅力的で、一枚一枚に違うコラージュが施されメンバー全員のサインが入っている点を見逃すことは出来ない。

さて、アルバム“Faüxmish”の内容は彼ら独特の宇宙的感覚が溢れたものだ。ソロ作品では気怠さと緊張を併せ携えていたMarnieの歌は、あのスピッツでもあるまいがまるで宇宙の風のようだ。ソロにおいて特徴的だったヘヴィなリズムもここでは用いられていない。綴れ織りのような電子音がゆっくりと聴覚神経系に絡みつき、脳へと浸透する。

このアルバム発表の翌年、F For Acheの三人はロサンジェルスの画廊The Boxで催されたLos Angeles Free Music Society（LAFMS）の回顧展に出演しライヴ演奏を行った。この時は、ユニットを名乗らず三人の連名にて参加している。その演奏は2016年に出版された“LAFMS Box Box”に収録された。

なお、夫のJim ShowはF For AcheのDani Tullを含む編成でD'red D'warfというユニットを結成し、2017年にアルバム“A Tone Meant For Your Sins”を発表していることを付記しておこう。この作品において彼らはF For Acheとは一風変わった宇宙的な音楽を演奏している。それと、Jim ShowはD'red D'warfとは違う編成で“LAFMS Box Box”に参加していることを付記しておこう。
（T.坂口）

1. Beneath The Dirt
2. Happy Before
3. Happy Everywhere
4. Daughter Of The Moon
5. Ride The Beast
6. Begin Again
7. Honey Born
8. The Spirit World
9. Gathering Of Clouds
10. Lullaby
11. Corn Pipe Dream
12. All Git Along
13. Floating Above The Sea

※ジャケットはハンドメイド制作で一枚一枚異なりますので、あらかじめご了承下さい。

Format：CD-R
Label：redacted (US)

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