George Grant / 90768
「90768」 それは彼が幼き日に乗った機関車… 子供の頃の思い出を一つ一つ丁寧に紡いでいった歌たちによって構成されたこのアルバムは、圧倒的な表現力により、楽器と歌の限られた音数によって彼の記憶にある美しい景色を聴き手に喚起させます。 淡い色彩をイメージさせるギターやブズーキ等の弦楽器、思い出の美しさ、大切さを穏やかに伝えてくれるGeorgeさんの甘い声質の歌。 SEを使わずとも列車の走る風景などを視覚的にイメージさせる想像力あふれる作曲と編曲。 エレキベースを弓を使って演奏することでチェロのような音を出したり、演奏面でもその想像力、アイディアの豊かさは現れます。 4トラのテープデッキという限られた録音機材の中で、工夫を凝らし幅広い音響効果を実現したミックスを施しほとんどの楽器を自身で演奏して多重録音されたこの作品は、まるで厚塗りの油絵のようにGeorgeさん自身が一人で長い時間作品に向きあって重ねていった表現の深みも孕んでいます。 20分を越す長尺の組曲、90768 SUITEを聴き終える頃には一本の素晴らしい映画を鑑賞し終えた時のような、満足感のある感動を味わうことでしょう。 70年代のイギリス、星の数ほど存在するフォークソングのレコード達の中でもひと際魅力的な存在感を放つドリーミーフォークのマスターピースです! 当時、わずか50枚しか制作されなかったというのがあまりにももったいない、是非とも多くの人に鑑賞し続けてもらいたい、素晴らしい作品です! 40年の時を越えて、この名作を再び世に発表できるということは素晴らしいと思います。 後にデザイナー、画家としても活躍されたご本人監修の元に制作されたジャケットとCDの盤面のデザインはオリジナルLPのデザインを壊すことなく引用しつつ、CDにうまくマッチするように再構成することに成功したと思います。 ご本人による解説掲載の見開き紙ジャケ、歌詞カード付き。 (Branco Label) 1. ENJOY THE VIEW 2. HOME FROM HOME 3. SWEET HONEY 4. MAC 5. SUMMIT 6. 90768 SUITE introduction ; signal box blues ; the man who drives too slow ; black grapes ; 90768 ; a dream away ※マスター音源に起因するノイズ、音声の乱れが一部ありますことをあらかじめご了承ください。 Format:CD Label:Branco Label (JP)