弓J / Mellow筋 01
伝説のテクノの聖地と言われた青山MANIAC LOVEにて90年代後半からスタートした、必殺仕事人DJのMOODMANもレジデントを務めるディープハウス・パーティー「SLOWMOTION」には、MinodaとSports-Koideというメンバーもいる。その二人に、今回の主役で唯一の女性メンバーである弓Jを加えたパーティーが「MSJ」(今作のタイトル「Mellow筋」にもかかっています)である。 そのMSJでは、先鋒MinodaのMIX CDを出そうとSports-Koideが地下で画策進行するも、何かの理由で頓挫していた。そんな状況を見て、密かなMSJ応援組の一人である私は、居ても立ってもいられなくなり、(MSJの中心開催地である東高円寺GRASSROOTSにて)飲んでいる勢いもあって、弓Jに「MIX CDをリリースしよう」と打診した(その後3E STUDIOに引き継がれることに)。 それから数ヶ月が経ったある日、弓Jがその事を忘れずに(エライ!)、家に籠って(いたかどうかは分かりませんが)レコードを吟味し録音していたことが発覚!そして、待つこと数日で音源が送られてきた。即行聴いてみて驚愕した。 「ブ、ブ、ブ、ブイシー…」 あまりの渋さに恐れを成した(?)私は、MinodaとSports-Koideを店の営業時間終了後に招集し聴かせた。 M「オジサン…」 S「始まりのキラキラって音、居酒屋の暖簾をくぐる音でしたよね!もう一回聴きましょう!」 とか、更に不安を煽る言動しかしない。。。でも、負けずに(少し大げさになってきたか?)聴き続けたんです! 「これをマスタリングしたら、今聴きたい感じの最高にメローなヤツになるんじゃないのっ!? タイトルもMellow筋だしっ!」という域までポジティブ妄想を膨らまし、Tokちゃんに素晴らしいマスタリングを施してもらい、アダルト・オリエンテッド感がハンパないが、張りのある、小音でもEEE塩梅で鳴る、2019年度要注目のレトロ・フューチャーなブツに仕上がったのではないでしょうかっ!? 問題なければ、日々の糧となりえる(?)「Mellow筋」シリーズを続行できるかもなので、何卒応援の程よろしくお願いいたしますっ!!!!!! ヤマベケイジ(LOS APSON?) ───── 2019年2月某日、いきなりLOS APSON?に呼び出されてコレを一聴した時は、あまりのオジサンにびっくりしたもんです。そりゃ、テクノ/ハウスをプレイしてる頃から格好いいグレーな世界観のDJでしたよ。でもね、フュージョンやらニューミュージックという新たな桃源郷に辿り着いてからは、そのグレースケールの幅が広がりまくっちゃって、いつのまにかただのグレーではなくなっちゃってて、とうとうロマンスグレーの域にまで達したのか…と、その時感嘆せずにはいられなかったですよ。 フルカラーで撮影した映像を豊潤なグレースケールに落とし込んだ映画のようなMixで、頑固な弓Jらしく、エンドロールに至るまでこだわりがビシビシ伝わってくる、これぞまさに「Mellow筋」。さらに、Tokちゃんトリートメントで、ロマンスグレーがしっとりとした仕上がり。ついついリピートしちゃう。 Minoda(SLOWMOTION) ───── 10年前、大阪で見たCorruptedのフライヤーに、“deep sorrow from heavy mellow”と記されていて、ライブ体験後の心地よい疲労にココロとカラダとアタマを支配されながら「御堂筋」をフワフワと闊歩した想い出がありまして。Mellow筋じゃんとかなんとかいいながら、、。 そして、東高円寺の由緒正しき人間交差点GRASSROOTSで、このダジャレを少しもじって「MSJ」という月1パーティを始め、丸4年Qさんと共にDJやライブをキーポンした結果、今回LOS APSON?ヤマベさんの号令をいただき、MIX CDをリリースします。 第一弾として弓J登場。シャキーン。 ハウス/テクノ界隈でキャリアを積んだ弓Jですが、今回はジャズ/フュージョン界隈を丁寧にチョイス。彼女の血肉になっている、ミニマル/テクノのグルーヴ感によって、レアグルーヴ視点とはまた違った、ミニマル/テクノ視点での提示になっていることが、時代をつらぬくオールタイムフェイバリット感(=Mellow筋?)のあるMIXに仕上がっちゃってるひとつの要因かと。 Tokちゃんの解像度の高いマスタリングも味方につけた、スムースなままにキレのある落ち着きはらったグルーヴを♩ぜひご堪能ください♩そう、それがMellow筋。春ウララなタイミングにもバッチリ合っているかと。筋通してまいりましょう♩ダンスを止めるな♩Let's 成熟♩Mellow筋♩ Sports-koide(MSJ / 3E STUDIO) ───── 弓Jは、くノ一である。忍法幻菩薩ぐらいは軽く使えるのに、いつもしれっと構えているところがなかなかにくい。ちなみに忍法幻菩薩とは、男どもを即座に「めろめろ」にしてしまう忍法だ。■ 今回のミックスCDを聴かせていただいて、もしやと思い「めろめろ」の語源を辿ったところ、「MELLOW」という英語が転じたという説を見つけ、一人静かに盛り上がった。が、その盛り上がりもつかの間、すぐに、「めろめろ」は明治期に「めらめら」から派生した説が有力らしいことを知る。惜しかった。■ 出会いはスローモーション。砂の上、ステップ刻んでいたはずが、振り向いてももう渚をかけてくる人影なんてない。気がつけば、人生も黄昏時だ。MELLOW筋の黄昏は、そう若くもない二人の夢の道…見つめているのはテールランプだけだが、それでいいのだ。■ MOODMAN(SLOWMOTION / GODFATHER / 角打ちON THE CORNER / SAKEPOP / INDUSTRIAL JP / M.O.O.D etc) ───── 「MSJ」の「J」こと弓JのDJが大好きだ。 こないだも彼女は悠々と好きなメロウ・フュージョンを嬉々としてかけまくっていた。 日本のフュージョンも混ぜていたので「これ、まさにJ-Fusionミックスですね」と言ったら、ヤマベさんが「弓Jの“J”ともかぶってるしね」と反応した。 たしかにそれは単なるジャンル縛りじゃなくて「彼女のフュージョン」だった。 まるで「あなたとあなた、気が合いそうだから付き合ったら?」と仲を取り持つクラスの女子みたい。そういうフュージョン。センスのいいおせっかい。 ぼくもこんなDJできたらいいのに。最高なミックス。聴きながら照れ笑いします。 松永良平(リズム&ペンシル) ───── 私にとってまだ見ぬ弓Jを知る唯一の情報がこのMIXだとすると、弓Jは一体どんな人なのかを勝手に想像してしまって感じたのは、200%少女漫画ロマンティックガール、、!渋いという噂は聞いていたけど、私にはこのMIXを渋いって言えるくらいたくさん音楽を知らないから、でもやはりロマンティックばっかりは色んな瞬間に感じたのです。さっきは少女漫画と言ったけど、大人のアーバンドライブのようなロマンティックも感じたし、ディスコタイムのようなロマンティックもあって、1つの映画を観ているような心地よさで 最後まで聴いていた♩はやく彼女のDJを生で聴きたいな。 酒井いぶき ───── GRASSROOTSで毎月開催されているレギュラーパーティー「MSJ」=「Mellow筋(スジ)」。 始めた頃はMellowとは全くかけ離れた四つ打ちパーティーだったのが、あれよあれよと迷い込んだMellow筋。 アラフォー&アラフィフ間近なレギュラーDJ陣達が毎月夜な夜な音楽を最大の共通言語に盃を交わし、集い重ねた密月の記録第一弾、弓J渾身のディープアーバンメロウな極みであり酸いも甘いも噛み分けた「Mellow筋」MIXである。90年代後半のダンスフロアへのカウンターパーティーが「SLOWMOTION」であったように、「MSJ」が令和元年のカウンターとなりうることを意味し、聴くもの自身までが試されているかのように思える。 今後重要な鍵を握る作品なのは間違いない。 Q a.k.a. INSIDEMAN(GRASSROOTS) ───── mellow筋、、、メロウな筋肉ってどんなだろう? 太くて柔らかい腕でダメージを受けたオヤジを丁度いい強さで抱きしめてくれそうな気がする。 そんなMIXです。 DJ 2741 ───── 弓J DJ。 2003年より都内で活動。各所のパーティにレジデントとして参加しながら、青山OATHでレギュラー開催のち流浪となったテクノパーティ「NYE(ナイ)」、渋谷KOARAでのテクノ・ハウスパーティ「S」などを主催。「S」クルーとしては2013〜2015年、恵比寿LIQUIDROOMの名物パーティ「HOUSE OF LIQUID」セカンドフロアやLIQUIDROOMカウントダウンパーティ「LIQUIDOMMUNE」に数回出演も。最近は東高円寺GRASSROOTSにて月1開催中のSports-Koide、Minodaによる「MSJ」に不定期参加中。FUSION・国産AOR周辺のレコードをムードでつなぐ。ガラケーユーザー。 https://twitter.com/00000yumij00000 Selected & Mixed by 弓J Mastered by Tok Designed by Rei Nomura Produced by 更科雪之丞 Format:CD Label:3E STUDIO (JP)