Rick Potts / Ding-a-ling
“Ding-a-ling”はカセット・シングルながら、A面‘Ding-a-ling’が8分超、B面‘Funnel Land’が6分超ありますので、EPくらいの尺を持つ作品だと言えるでしょう。 Rick PottsはLos Angeles Free Music Society(LAFMS)の創設者の一人で、15歳で奇天烈なフリー・ミュージックを創り始め、18歳の時にLAFMSの創設に参画しました。Le Forte Four、AIRWAY、Human Hands、Dinosaurs With Horns、そして2002年に来日したSolid Eyeのメンバーでもありますが、ソロ活動も行っています。 ソロとしてのオリジナル作品としては2012年に発表した“Lilies (Of The Uncanny Valley)”が最新のものなので、新作は久々と言って良いでしょう。尤も2014年にはGen Ken Montgomeryが編纂したコンピレーションに一曲を提供していますが、録音の年は定かではありません。 2020年にRickは幾つかの新作を録音し、拙レーベルNEURECからそれらの発表を予定していますが、“Ding-a-ling”はその皮切りとなります。 ‘Ding-a-ling’はクリスマス・チューンではありますが、昨年12月28日に出版されました。「COVID-19のために盛り上がらなかった2020年クリスマスの残り香を後からスローに楽しもう」というコンセプトを、レーベルとしては設定しています。この作品の聴きどころはRickならではの破天荒なリズム構築だと言えましょう。2019年に出版された“Rick Potts Greatest Hits”においても、彼のリズム・メーカーとしての才能が際立っていました。‘Ding-a-ling’はその最新形態を堪能することができる一曲で、比較対象の無いケッタイなリズムに酔い痴れてしまいます。 B面の‘Funnel Land’は、Rickが35年間も取り憑かれて来た奇妙なメロディを基盤とするものだと聞きました。当時Rickはコモドール64という先駆け的なコンピュータを使い、そのメロディをキーボードで演奏した音を録音したと言います。その音源を基にミックスを施すことで‘Funnel Land’は完成しました。より重厚な風情のある作品ではありますが、やはり奇妙なRick独特のリズムが耳を惹きますでしょう。 ダウンロード・コードは付きませんが、代わりにカセットと同内容のCD-Rが付いています。 (NEUREC) Format:TAPE+CD-R Label:NEUREC (JP)