SHIM / MY OLD LOVE
ジャケで引かないで下さいね。これをかけると、とても気持ちのよい音波で部屋が満たされます。こんなシンガーソングライターもいるのですね。タイムワープ的・無時代空気感に触れることのできる、歌とアコギの響きに一時思いを馳せましょう。音響作家TAMARUさんのレーベル、sahouxからのリリース作(共同プロデュースもされています)。 ♪試聴はこちら!!! ■ポコペン(SAKANA) シムくん、アルバム、何度も拝聴しました! 曲は、たくさんの工夫がちりばめられていてバラエティに富んでいて、でも一貫していい具合に抑制のきいた感じの表現に、円熟度を感じますね! シムくん、アコギ上手いですね! 歌も自然体でクールです。もともとお話する声が、シムくんは声優さんみたいで素敵ですからね。 ご一緒されている方々の演奏も素晴らしいです。 シムくんの哀愁のあるトランペットも味わい深い、あの曲も印象的ですね。ミックスも素敵です。 素晴らしくて誠実な音楽を聴けて、生きていてよかったな、と思いました! 感謝とともに。 ■横川理彦 吹き抜ける、風のヴァリエーション。 世界が乱反射して、ギターと歌とコーラスが飛び出してくる、その回路とスピードを聴こう。 ■竹内一弘(Whereabouts Records) 結局のところ音楽の魅力は声に行き着く。 世の中には様々な音楽があるが、不要なものを1つずつ排除していくと、最後に声、歌が残る。勿論、歌詞も。 声によって音楽の印象はまったく異なったものになるが、でもそれは生を授かったときに与えられるものなので自分ではどうしようもない。 音楽を歌うための声。SHIMの声にはグッときた。 この人は授かったのだと思った。 ただ聴けばいい、彼の音楽を。 ■庄司広光(SOUNDWORM/Tsuki No Wa/SARA DISC) 一見硬質でニヒルだけど、とても優しく柔らかい。 ピンと張った弦から放たれる音はまっすぐで、殺伐さから離れ遠くへ、穏やかな場所への憧憬のようなものを感じます。 SHIMと出会ってもう20数年経つけど、彼独特の人懐っこさはずっと変わってない。 それがよく現れたアルバムに仕上がったと思います! ■中村 清(The Ding-A-Lings/LAPIZTRIO/aka-jam) 友達のSHIM君のアルバム「MY OLD LOVE」 蝉時雨の暑い夏の部屋に気持ちよく流れております。 とても好きな声、素敵な音響、ほとんど弾き語りなんだけどロックなんだよな。 良いアルバムですね。 ■浅野達彦 声が良い方ですね。フォークギターとも合いますね。 生まれが僕と同じみたいなのですが、若々しさに驚きです。 昼間の急に風向きが変わる風が吹いているような抽象的な感覚がありますね。 1曲目のエレキギターの音も独特で好きです。 ■ジョージ(藻の月) 素敵なアルバムだね。シムらしさで満ちてる、ジャケットも。 歌詞のベクトルがいいね、サウンドも良いと思うよ。 ■ケンタ idem よしかわまみ ちょうど仕事の帰り月がオレンジだったから、、、車の中で大音響、いい感じ♡ 実は先日、不当解雇予告を受けて、でも仕事には行かなくちゃいけなくて、しかしババーンっと退職届を出して、、、なんてぐちゃぐちゃな時、「思い通りにならなくても、起こることすべては意味があり、自分の意のままになる、、、」と声が聴こえてきた。 意のままになる、とは欲望や希望ではなく、すでに意のままになっているということを謙虚に受け入れよう、と生きています。 ■坂本 宰 冒頭の「RED MOON」はジャケットイメージの赤とマッチしていて、この世界の入り口にすっと入り込み、そのままのスピードで最後まで聴いてしまいました。 シンプルすぎるライナーノートを広げ、歌詞を目で追いましたが、言葉の意味や、歌の力を信じるよりも、私にはこのリズム、時間の流れに乗ることがスリリングでした。 耳を傾ける。「風が強い日」、「GHOST TOWN」、曲調が変わるたびにどこか、身に憶えのある感覚がよぎる。 いつ、どこで、といった詳細が抜け落ちているのでこれは記憶ではないようだ。 神経が呼応する瞬間とでも言えばいいのか。 この風に吹かれたことがある、とか、この匂いはよく知ってる、といった肌合いのようなものだ。 「REPEAT」までは一気に。そして「ラジオ」は実に楽しい曲でした。 軽快なリズムボックスに、TAMARUさんの、こんなにアクティブなベース演奏は聴いたことがありませんでした。 これはライブでもぜひ聴きたい! 「BRIDGE」は赤道のようなイメージで、このインストルメンタルがアルバムの中程に収録されていることで、アナログレコードのA面、B面のような感覚で聴きました。 とても美しい曲で、個人的には「水」と並んで最も好きな曲です。 ‥と、まだまだ1曲づつ感想を書いてみたい気もするのですが、私には、SHIMさんのギターのタッチやニュアンスが、そもそも歌のように聴こえることと、彼は、言葉を変えて同じことを、何か一言を放っているようにも思えるのです。 それは、忘れられないこと、と、忘れたくないこと、との相反する力をひとつに込めていると言ったらいいのか。 でもそれは、過去や未来として位置づけられる詳細な記憶ではなく、風や匂いを頼りにした瞬間的な神経感覚のような。 私は多いにそこに共感しました。 この例えに語弊がなければよいのですが、以前、とても印象に残ったニュース記事を読みました。 犬の生態を長年研究していた学者が発表した会見だったのですが、「なぜ犬は遠吠えをするのか」という問題に対し、それは「切ないから」と答えていました。 私は「ロック」だと思いました。 SHIMさんの音楽にはそのような力を感じます。 ■虹釜太郎 映像作品「scene」があまりにも人類記録保管所みたいですばらしかった(同時に怖い!)TAMARUさんのレーベルリリースは、SHIMさんの「MY OLD LOVE」。ここのところ音楽といえば、ZZTOPと百年前の音楽しか聴いていなかった自分ですが、「scene」の地球上にかつていた人間の記録‥みたいな衝撃からいまだたちなおらないままに、「MY OLD LOVE」をあたまからでなくランダムに聴いてみました。 最初にかかったのはインスト“BRIDGE”で、スピネッタかカブサッキかサウンドワームなんかをおもいだしながらひきこまれていくと、”風が強い日”。 今日は風が強いから宇宙船のシャンデリアが揺れていて“REPEAT”へ。 引力や重力や遠心力なんかに数字の配列が揺れているのですが、この曲や“水”、“妄想キッチン”なんかを聴きながら、自分は宇宙戦艦サジタリウスの実際にはストーリーには描かれてない彼らの日常世界と、ランボーファイナルをおもいだしていました。 ランボーファイナルは、観ようとおもわなかったのに無理やり映画館でかかって(爆音映画祭の映画タイトルを告知しない上映で)観てしまったのですが、ランボーファイナルはともかく、サジタリウスの世界で好きなのは、音楽が武器の小さな宇宙人の存在で、その感じをこのアルバムの“ラジオ”を聴くと強くおもいだします。 この小さな宇宙人とミシェル・ポルナレフが、同じ部屋でぬいぐるみに目だけつける内職をしているような、ある時間。 この歌の世界、もう地球にはないんじゃないかという感。 “RED MOON”がそもそも異郷で血を流すような曲で、そもそも最初から地球でのことじゃないんではと感じさせるので実際にはかなり怖いアルバムなんではないでしょうか。 この歌の世界、もう地球にはないんじゃないかというよりは、そもそもが‥。 途中聴いていて意識失って“帰還兵”みたいな曲を聴いた記憶があったのですが、意識はっきりして確認するとそんな曲はなかったので自分は自分専用に“帰還兵コンピ2”つくりました。 で、いろいろあって最後に聴いたのはアルバムでも最終曲でもある“いつか”。 どの曲でも風が吹いてます。“RED MOON”での変形しまくったあげく、急上昇していくような風は人間でなく動物が感じてるような風。 風がとまる感じや体温に近い風とか、散らかった感じでいきなりとまる風とか、手紙読もうとしたら風が邪魔してとか、季節がくずれきってるけど風は関係ないとか、風師匠。 SHIM profile: 1966年生まれ。1988年より東京のライブハウスを中心に演奏活動を開始。 「CHOCOLATES」「FRESH」「THE OCEAN」「LODGER」等のバンドを経て、2003年よりアコースティック/エレクトリックギターと歌によるソロでの演奏をスタート。 2014年8月、10年間に渡るソロ活動の集大成とも言うべき1stアルバム「MY OLD LOVE」をsahouxよりリリース。 http://nenjango.jimdo.com/ 1. RED MOON 2. 風が強い日 3. GHOST TOWN 4. すべては君の意のままに 5. REPEAT 6. ラジオ 7. BRIDGE 8. 904 9. MY OLD LOVE 10. 水 11. 妄想キッチン 12. いつか Words, music and arrangement by SHIM Recorded at YAMA NO UE UNDERGROUND STUDIO, Feb.2013 - Mar.2014 Recording by FURUYA Takayuki Additional recording by TANIUCHI Hiroshi at PLUS+FACTOR Mixing and mastering by SHOJI Hiromitsu at SARA DISC Design by KAMADA Mitsuhiro (VISIIMA) Photograph by SHIRAISHI Kazuhiro Produced by SHIM and TAMARU Format:CD Label:sahoux (JP)