SMEGMA / MIRAGE (CD盤)
おそらく2007年にDr. Idが脱退することが要因となり、Smegmaの第二期が終わったと想われる。それから第三期が始まるには、少しばかりの期間が費やされたようだ。この時期のSmegmaは、Ju Suk Reet MeateとJackie Stewart(Oblivia)が模索を行っていた。John WieseとSissy SpacekおよびドイツのKommissar Hjuler Und Frauとコラボレーションを行うなど、彼らは様々なトライアルを重ねている。やがて彼らは第一期パサディナ時代のメンバーであったAce Farren FordとDennis Duck、そしてJu Sukと共にポートランドへ移住したChucko Fatts(かつてはDK、Big Dirtyとも名乗り、第三期SmegmaにおいてはDonkey Flybyeの名を用いた)と共に第三期Smegmaを始動させた。ポートランドにもパサディナにも偏重しない、総合的なスタンスを持つSmegmaである。 彼らにとって最初のアルバムとなる“Mirage”は、第二期Smegma最後のアルバム“33 1/3”の版元であるImportant Recordsから2010年にCDおよびLPのフォーマットにて出版された。特筆すべきは、ペイズリー・アンダーグラウンドの代表格ロック・バンドで来日もしたDream Syndicateのドラマーとして活躍する迄に技術的発展を遂げたDennis Duck。彼が再加入したことで、ベース奏者の居ないSmegmaは強力なリズム・セクションを獲得する。 ポートランドに在住する複数の演奏者と、パサディナからはロサンジェルス・フリー・ミュージック・ソサエティ(LAFMS)の創設メンバーであるTom Recchion。そしてニューヨークのブルックリンを拠点に活動するリュート奏者Jozef Van Wissemまで、多様な参加者による第三期Smegmaの船出を表象する潔い感触に満ちたアルバムである。 (T. 坂口) 1. WORLD OF MY OWN 2. MIRAGE 3. F-85 TURBOROCKET 4. OH YEH 5. THAT PARTY OF WALES 6. QUIET ON THE SET RIOUX I Format:CD Label:IMPORTANT (US)