PERNETT / EL MAGO
数年前から一部のDJやワールドミュージック好きから最注目を集めた、コロンビアを中心とした南米のルーツビートであるクンビア。アルゼンチンのクラブミュージック世代によるデジタル・クンビアやマヌ・チャオ/RADIOCHANGO周辺らレベル・ミュージック、ロックのアーティストがそのサウンドに取り入れ、またロンドンのクアンティックがコロンビア移住して、世界へ向けた大傑作を発表し、クラブミュージックファンにもコロンビア/南米音楽を再発見させるという大きな動きがありました。英米のレーベル発のクンビアのコンピレーションも盛り上がりました。又、ペルーのクンビアである、アマゾン・クンビアやチーチャのレア・グルーヴ的再発見ももはや説明不要の定着ぶりです。 この世界的なムーヴメントへのコロンビア本国からの返答の筆頭格がペルネットでしょう。幼少の頃よりコロンビアのカーニバル音楽に魅了された彼は18歳の時に英国人DJリチャード・ブレアとの出会いを経てサイドステッパー(コロンビアを代表するクンビア・ラテンバンド)に参加。2004年からはペルネット&カリビアン・レイヴァーズとしての活動を始め自身の音楽性を追求し始めます。ステージではキーボードを弾き唄を歌い時にはガイタ(クンビアなどコロンビア音楽で使われる大きな縦笛)を操り、またプログラミングすらも自らこなす多才なアーティストです。 前作よりペルネットは確実にキャリアを重ね、かのクアンティックとの共同作もSoundCloudを中心に発表され数千ダウンロードをヒット。又、ニューヨークのDJ、ニコデマスのリミックスも近々発表するようで、クラブ世代のワールドミュージック好きのツボを押さえまくった新世代。しかし、アルバム全体の底にあるのはクンビアを中心としたコロンビアのルーツミュージックへの愛であり、そこにレイヴァーズと名乗るだけのクラブ/ダンスミュージックへのリスペクトと知識と体感が上乗せされた、2010年代の音楽なのです。 Format:CD Label:BEANS (JP)