JOHN CAGE SHOCK Vol. 2
2012年はジョン・ケージ生誕100年! しかしほとんどの人には意識されていないであろう、1962年の初来日からちょうど50年でもあるのだ! そこでOMEGA POINTとEM Recordsが、ヨシ・ワダのシリーズに続いてまたも暗躍した。門外不出で長らく封印されていたケージ幻の初来日ツアーの衝撃音源の数々を一挙に公開! ケージ本人やデヴィッド・チュードアが繰り出す爆撃のようなノイズの「Variations II」、日常的な行為を音楽として提示する「0分00秒」の世界初演、そして小野洋子が爆音の中で咆哮する「26分55.988秒」…彼らが本国やヨーロッパでさえ無理解の嵐に打ちひしがれながらも、真の前衛精神で創造しつづけた驚愕の音が、まだ実験音楽の芽もない日本でいきなりブチまけられたのだ。いわく「ジョン・ケージ・ショック」。 CD店の棚の一角を占めるほど並ぶケージのディスク群に、このような作品は見あたらない。国内外を問わず、これら劇薬作品は作曲当時以外にはほとんどリリースされていないからで、ケージの容赦ないハードコアな側面を知ろうとしてもムリなのだ。結果、「ジョン・ケージ?プリペアド・ピアノとか音のない音楽とかで有名な人ね。」耳にやさしい初期のピアノ曲や晩年の散文空虚作品しか聴いたことがない“現代音楽ファン”、そして音を聴きもしないで哲学的言葉遊びでケージを論じる評論家どもは、この「本当の衝撃」に正座して耳を傾け、平伏せよ! =JOHN CAGE SHOCK Vol. 2= 1. Karlheinz Stockhausen - Klavierstuck X (19:39) Performer:David Tudor(pf) 2. John Cage - 26'55.988" for 2 Pianists & a String Player (22:41) Performer:David Tudor(pf)+一柳慧(pf)+小林健次(vn)+小野洋子(vo) ピアノからグリッサンド、クラスターなどが、指、拳、手首、腕、肘などを動員して生み出される1曲目「Klavierstuck X 」の、デヴィッド・チュードアの凄絶な演奏に注目! そして2曲目「26'55.988"」は一柳、チュードアらが繰り出す爆音のような激烈な音とともに、小野洋子が放つ奇声や咆哮が衝撃的! ●全曲未発表/世界初登場 ●貴重・初出写真多数掲載 ●日本語・英語解説ライナー封入(一柳慧氏による巻頭辞収録) ●2面見開き紙製ジャケット・帯付属 【追記】 『ジョン・ケージ・ショック』収録曲目の訂正につきまして John Cage Shock Vol.2および2LP版に収録した「26'55.988" for 2 Pianists & a String Player」が、正しくは「Aria and Solo for Piano with Fontana Mix」であることがリリース後に判明したため、こちらに報告致します。 経緯について: ケージ初来日の録音物は、草月アートセンターと御堂会館の2カ所の録音として(財)草月会によって保管されていた。それらの中には詳細情報に疑問のあるものがいくつかあり、その一つがケージの「26'55.988"」で、録音に小野洋子の声が入っているのにそのクレジットがなかったのが謎だった。 曲目の表記間違いも疑ったが、以下の理由で「26'55.988"」であることはリリース前に疑義を挟む余地はなかった。 1) 同曲と同じ御堂会館の録音のファイルには本シリーズに収録した「Klavierst�ck X」、「Variations II」、「Music for Piano #7」も含まれており、これらは当日の御堂会館での演奏リストと合致していた。 2) これらの録音は音響特性も全て酷似していた。 ところがリリース後、ある音楽学者から、本曲は「26'55.988"」でなく、10月10日に東京文化会館にて演奏された「Aria and Solo for Piano with Fontana Mix」ではないかとの問題提起があった。理由は; 1) オノ・ヨーコが《アリア》を歌っている 2) 弦楽器の音が聞こえない 3) 電子音が聞こえる 東京文化会館では10月10日に確かにこの曲が演奏されたが、同日の他の曲の録音がないことや、上記の音響特性のことなど、その時の録音とするには疑問があった。 その後、別の研究者から、御堂会館で演奏予定だった「26'55.988"」と差し替えで「Aria and Solo ...」が演奏された可能性について、62年10月20日付産經新聞の演奏会批評の記事で判明した、との報告があった。そこで、御堂会館での演奏というのは正しく、曲目は「26'55.988"」は誤りで、正しくは「Aria and Solo ...」であるとの断定に至った。また、今回の発見によって、長年信じられてきた御堂会館の演目は事前告知されたものをそのまま流用していたことも判明した。 「Aria and Solo for Piano with Fontana Mix」の演奏者は以下: Yoko Ono (voice) David Tudor (pf) John Cage (assistant performer) ※なお本曲は「Aria」(1957-58)、「Solo for Piano」(1957-58)、「Fontana Mix」(1958)を複合で演奏したものである。 関係各位、また本シリーズをご購入頂いた皆様にお詫びし、訂正させていただきます。 エム・レコード オメガポイント Format:CD Label:OMEGA POINT / EM RECORDS (JP)