中原昌也 / エーガ界に捧ぐ 完全版
2004年から2007年までの日常を記録した『中原昌也 作業日誌』と並行して、雑誌「SPA!」にて連載が進んでいた「エーガ界に捧ぐ」。毎回1本の新作と、1本の旧作を取り上げての映画評は、次第に映画評の域を超えて筆者の生きる現実世界と、かつて見た映画と、いつか見るはずの映画とが、今ここにある映画と混ざり合い、「エーガ界」を飲み込んでいく。その肥沃且つ豊饒な世界が1冊に。21世紀は、こんな映画たちで始まったのだ。 (boid) 中原昌也(なかはらまさや) 1970年東京都生まれ。 88年頃よりMTRやサンプラーを用いて音楽制作を開始。90年、アメリカのインディペンデントレーベルから「暴力温泉芸者=Violent Onsen Geisha」名義でスプリットLPをリリース。ソニック・ユース、ベック、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンらの来日公演でオープニング・アクトに指名され、95年のアメリカ・ツアーを始め海外公演を重ねるなど、日本以外での評価も高い。97年からユニット名を「Hair Stylistics」に改め活動。音楽活動と並行して小説、映画評論も手掛け、2001年に『あらゆる場所に花束が……』(新潮社)で三島由紀夫賞を受賞、2008年には『中原昌也 作業日誌』で第18回ドゥマゴ賞を受賞した。その後文学界から遠く離れていたが、2011年には自伝『死んでも何も残さない』、12年には短編集『悲惨すぎる家なき子の死』を刊行した。 A5判/並製/448ページ Format:BOOK Label:boid (JP)