D'RED D'WARF / A TONE MEANT FOR YOUR SINS
D'red D'warfはJim Shaw、Dani Tull、Brian Randolph、Daniel Hopeから成るユニットだ。Discogsにもこのユニットの情報は全く掲載されていない。従って他に作品を制作した 履歴があるのかどうかも判らないのである。 メンバーのJim ShowはDestroy All Monsters、および彼の配偶者であるMarnie WeberとのデュオThe Perfect Meで活動を行って来た。併せてソロ作品を8枚CDに纏めた“Solo Works For Electric Guitar, Electronics, And Audiotape 1975-1979”、およびMike Kelleyとのデュオを収めた2CDセット“Duets: 1975 - 1976”を何れも2011年にCompound Annex Recordsから発表している。 やはりメンバーのDani Tullについては、寧ろ画家としての活動が多いのではないかと想う。だが音楽家としての活動もこのアルバム以前にあり、2016年に画廊The Boxが出版したLPボックス“LAFMS Box Box”に彼は二つのトリオで参加している。一つはJim ShawとEddie Ruschaとのトリオ。もう一つはMarnie WeberとDoug Harveyとのトリオである。この“LAFMS Box Box”は、2012年の1月から2月にかけてThe Boxで催されたLos Angeles Free Music Society(LAFMS)の回顧展でのライヴ演奏を収めた大作だ。Dani Tullが参加する二つのトリオは、2月11日に演奏を行っている。それは、この回顧展に参加しながら1月末に他界したMike Kelleyへの追悼演奏であるに違いない。 Jim Shaw、Dani Tull、Marnie Weber、Doug HarveyそしてMike Kelleyらは一つの活動サークルを形成していたのではないかと想像している。そのサークルには様々なコンビネーションによるユニットが存在するようだ。例えば前述のようにThe Boxで演奏を行ったMarnie Weber、Doug Harvey、Dani TullのトリオはF For Acheという名の下に別途アルバムを発表している。サークル内部から自然発生的に登場したのではないかと妄想するのだが、D'red D'warfもそんなユニットの一つなのだと想う。 さてこのD'red D'warfのアルバム“A Tone Meant For Your Sins”の存在を私はMarnie Weberに教えて貰ったのだが、聴いてその独創的な面白さに驚いてしまった。内容は2016年に行われた彼らのライヴ・インプロヴィゼーションである。宇宙的で部族的、そして牧歌的で呪術的だ。何ともフシギな生のパワーを感じさせるアルバムだと思う。 (T.坂口) Format:CD Label:END IS HERE (US)