MOCKY / OVERTONES FOR THE OMNIVERSE (国内盤CD)
Overtones for the Omniverse by Mocky カナダ出身のコンポーザー/マルチプレイヤー、MOCKYの2021年新作! なぜかというと、いま音楽は完璧になりすぎて、そこにほころびがないからだよ。 ボーカルはオートチューンで調整され、ドラムはクリックにしたがって演奏される。 ところがこれまでの偉大な音楽は、ブラジル音楽であれ、ソウルであれ、ジャズであれ、みんな揺らいでいる。 ──MOCKY 2020年3月6日、7日、アメリカ、ロサンゼルス。 最初のロックダウンが始まる僅か数日前に16人のミュージシャンが一同に会した二日間の記録。場所はハリウッドにあるベアフット・スタジオ。1967年に設立されたこのスタジオ(当時の名称はCrystal Industries Recording Studio)は主に70年代から80年代かけ、アメリカのヒットチャートを彩った数々の名作が生まれたスタジオとして知られています。モッキーが敬愛する、スティーヴィー・ワンダーの「ミュージック・オブ・マイ・マインド」、「トーキング・ブック」、「ソングス・イン・ザ・キー・オブ・ライフ」、「ホッター・ザン・ジュライ」、シリータのデビュー・アルバムもここで録音されています。 アルバム「SASKAMODIE」以降の作品ではストリングスを活かした楽曲が多数披露されてますがこれほどアルバム全体に全面に出た作品は初めてのことです。オーケストラル・アルバムということばから喚起するものともまた異なる、普段、弦楽に親しんでいない方にも開かれた、皆で倍音を出す、この空気感。教会音楽を奏でているわけではないのにとてもSOOTHING。ありきたりな癒しだとか、クワイエットでもない、こころを鎮めてくれる温かみのある音楽。単純化された音楽タームにはおさまりません。 日本製の最初のアナログシンセといわれる、Roland Sh-1000の音色を忍び込ませるのもMOCKY印の妙味。ここにスティーヴィーを感じる方も多いかもしれません。モーゼス・サムニー、ニア・アンドリューズ、ファイスト、エディ・チャコンといった歌い手たちが1曲1曲代わる代わるリード・ヴォーカルをとるかたちではなく、合唱隊の一員として連なるレコーディング現場というのもそうないでしょう。ジョーイ・ドーシックがオルガン、グロッケンシュピール、2019年の日本ツアーにも同行した、ヴィッキー・フェアウェルがピアノ、ミシェル・ンデゲオチェロ、ヴェティヴァー、サム・ゲンデル、カマシ・ワシントンなど実に幅広い活躍で知られるゲイブ・ノエルがチェロ、コントラバス、ロビン・ハンニバルとのクァドロン、ヴルフペックとの共演などでもおなじみ、ココ・Oなど参加ミュージシャン個々の活動を辿れば、特定のジャンルでもコミュニティでもない、ほかにはそうない独自の編成であることがわかるでしょう。 先人テオ・マセロに学んだ、エディットはモッキー自身が、きめ細やかに仕上げられたミックスは盟友、ルノー・レタンが手がけています。 CDは日本のみのリリース。未発表曲2曲(本セッションから)を加えた全10曲収録。 (WINDBELL) 1. OVERTURES 2. BORA! 3. STEVIE'S ROOM 4. HUMANS 5. APE-IFANYS 6. WELL TEMPERED LAMENT 7. WISHFUL THINKING 8. DESIREE (Piano Version) Bonus Tracks 9. LITTLE VICTORIES 10. HUMBLESAPIENS 特別収録 モッキーとの対話 A Conversation with Mocky: May 21, 1:30AM 聞き手:若林恵(黒鳥社) Format:CD Label:WINDBELL (JP)