bonnounomukuro / TAPE DAYS
虹釜太郎が久しぶりに新レーベルICE RICEはじめました。第1弾はJOE MEEK meets ALAN VEGAな、すっとこどっこいなずっこけラスカルズなサウンド、bonnounomukuroのアルバムをお送りします。アルバムタイトルは『TAPE DAYS』。 ICE RICEすなわち冷や飯。 しかしアイス・ライスだと氷飯で冷や飯違い! ラスカルな音って日本ではなんでしょう? しかも、ずっこけていてスペーシーっていうと…。 今は亡きダブソニックの丈ちゃんのつくる音は戦闘部族的な音も多かったですが、そのダブソニックと自分の義兄弟的兄貴分だった存在としてMANSHOW(マンショウ)さんというすげー先輩がいたんです。残念ながらマンショウさんも亡くなってしまったんですが、そのマンショウさんはダブにもエレクトロにもワシントンゴーゴーにもいろいろ詳しい方だったんですが、マンショウさんのつくる音のなかにはこってこってな和製エレクトロのソロや、バンドスタイルのエレクトロ・ユニットのもっともすてきな形態だったNB、あほ祭りとインベーダーのエレクトロ感と電子愚連隊感もろだしのエレクトロマンショーズ以外にも、形容不可能なすっぽこビートや脱力ビートを数々つくっていたのでした。 マンショウさんには真夏にエアコンきってしかし部屋をシメキッテから30分後にサーティン・レシオ聴く方法や、カレーとエフェクターの関係、機材改造について、出力部分のテイコウの変更について、ワシントンゴーゴーについて、うっすいことは濃いことについて(詳しくは37Aにきけ!彼女ならマンショウのことをすこしは知っている)、アイスクリームでなくアイスクリンなことについて、取引はキャッシュカードじゃなくて必ず現生なことについて(ゴーゴー諺)、インベーダーキャップについて、RPGの真の楽しみ方について、エレクトロについて、裏切りの音について、かわゆいジャケットと音の関係について、そのほかにも多くのことを教わった。しかし、もっともっと教わっておくべきだったと今となっては猛烈に後悔している!!! そんなマンショウさんのことはともかく、脱力ビートの話でしたが、これもいろいろあります! その脱力ビート、ずっこけたアラン・ヴェガとジョー・ミークのばかばかしい虚無感を天然にある種華麗にある意味煩悩まるだしに、カセット愛にあふれつつこの2011年現在そんな音を実際に出してる男が神戸にいるんですが、それがbonnounomukuro。この名前も奇妙なんですが、彼は始めからそう名乗ったのです。やつは自分の音のことをカラオケ・ダブとか呼んだりしていますが、やつの音はダブっていってもワードサウンドやマーティン・ハネット、そしてジョー・ミークやアラン・ヴェガ、いやもっとずっこけた奇妙な脱力ビートを奏でています。なんていうんでしょうか、屋台っぽいんですよね。野外のラジカセ感あふれるというか。だからラジカセ屋さんTURBO SONIC(※今は無い)にも渡したい。 そーいえば関西のとあるエロビデオ屋のBGMはワードサウンドだったとか。そういう奇妙ないかがわしさの中にあっても「TAPE DAYS」の音は映えますし、トラックによっては女性タイプの宇宙人によるアンビエントかっていうような空間も広がったり、ねじれてあほな残響がじわじわとここちよかったりもして、なんていうんでしょうか、地球を流刑地としてトバサレたダブ男だったり、荒廃した地に降りたずっこけエンジェルともいえるような不思議な存在感です。とりあえず聴いてみてください。車を持っている人は勾配がびみょーな坂とかでこれかけって走ってみてください。部屋で聴く場合は変な酒と一緒にとか、ブラジル産ガラナとかと一緒に。ラジカセでかけてもはまります。 ジャンル:DUB/脱力ビート/すっぽこ/謎ジャズ/カラオケ・ダブ/カルキ・ダブ (Text by 虹釜太郎) Format:CD-R(特製紙ジャケット仕様/シール付き) Label:ICE RICE (JP)