Merzbow / Horizon
2018年にスタートしたスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズ、その第13弾としてリリースされた作品をまとめたボックスが登場!本ボックス〈Horizon〉にはメルツバウが東日本大震災への創作での反応、直接的なアニマル・ライツではないテーマへの移行の始まり、そして新たな機材(小型のオシレーター・シンセ、ドローン・マシーン、ミニ琴など)の導入などの動きを見せた2011〜2012年の音源を収めた『Insect 801』『雲の絶対値 Kumo No Zettaichi』『Sugamo Flower』『Bit Blues』『Kotorhizome』『Gman+』の6作を収録。オシレーター・シンセやドローン・マシーンによる独特なテクスチャーのドローン・サウンドの多用が耳を引くが、それがリズミックなアプローチと重なるものやノイズ演奏と混然一体となり厚みやラウドさを感じさせるもの、そして終始なだらかに変化していく静謐さを保ったものなど様々な作風に結び付いている。 2018年よりスタートしたメルツバウの未発表/発掘音源を中心に収めたアーカイブ・シリーズ、その第13シリーズは2011〜2012年に録音された音源を収めた『Insect 801』『雲の絶対値 Kumo No Zettaichi』『Sugamo Flower』『Bit Blues』『Kotorhizome』『Gman+』の6作であった。そしてそれらをまとめたボックス作品がこの〈Horizon〉である。 この時期には東日本大震災があり、メルツバウは福島とチェルノブイリの原発事故による放射能汚染をテーマにした『Dead Zone』という作品を2011年にウクライナのレーベルQuasi Pop Recordsからリリース、他にも『UZU ME KU』(Samboy Get Help! Recordings, 2012)のジャケットに用いられた長沢浄水場の写真には震災によって亀裂の走った柱が映っているなど、早くから創作によって事態への反応を見せた。 また、英Hypnagogiaの依頼によりこの時期に着手された「聖牛」をテーマにした三部作『Kamadhenu』、『Surabhi』、『Gomata』は引き続きアニマル・ライツがテーマの作品ではあるが、『Lop Lop』(Rustblade, 2011)、そして後の『Konchuuki』(Essence Music, 2015)など直接的なアニマル・ライツではないテーマへの移行が徐々に見られる時期でもある。 加えて機材面でも新しく小型のオシレーター・シンセ、ドローン・マシーン、ミニ琴などの導入があり、サウンドを非常に強く特徴づけている。 収録されている6作ではオシレーター・シンセやドローン・マシーンによる独特なテクスチャーのドローン・サウンドの多用が共通項として見いだせるが、そこにリズミックなアプローチが重なるものもあればノイズ演奏と混然一体となり厚みやラウドさを感じさせるもの、そして終始なだらかに変化していく静謐さを保ったものなど最終的な作風は様々に異なっている。 (よろすず) CD1 Insect 801 CD2 雲の絶対値 Kumo No Zettaichi CD3 Sugamo Flower CD4 Bit Blues CD5 Kotorhizome CD6 Gman+ Format:6CD BOX Label:スローダウンRECORDS (JP)