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那部亜弓 / HOTEL目白エンペラー

型番 LA-23458
販売価格 2,200円(税込)
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 本書は写真家・那部亜弓が10年以上に亘り、日本全国のラブホテルを撮影した記録である。その対象は現役もあれば廃墟もある。彼女の写真家としてのキャリアは廃墟写真から始まっている。1990年代初頭に写真家・小林伸一郎氏が切り拓いた新たな表現対象である「廃墟」は今や完全に市民権を得ており、日本中で数多の写真展が開催され、廃墟専門のコーナーがある書店も珍しくない。
 ある意味ブームを通り越し量産される廃墟写真家からの脱出を試み、独自の路線を歩もうとする先鋭的な表現者が現れていることを僕が知ったのは5年ほど前。そのきっかけは写真家・星野藍によるかつての共産圏に遺る奇抜なスポメニック、廃墟化した列車や軍用機などの作品を収めた写真集『旧共産遺産』の発行だった。以来、廃墟写真という枠を窮屈だと思い飛び出し何かに特化した写真家が弊社に集まるようになった。
 本書の著者である那部亜弓が被写体に選んだのはラブホテルだった。日本独自の文化でもあるラブホテル、それは日本の狭くて密集した住宅事情から生まれた。家庭内や隣近所に知られることなく男女の秘め事が楽しめる場所として、現在も日本全国津々浦々に存在している。他店との競争から生まれた様々な設備や差別化を図るがあまりに常軌を逸してしまった内装など、その楽しみどころは多い。昭和の時代に乱立したラブホテルも現在は衰退していっているが、著者にとっては大の好物である「ラブホテル」に「廃墟」がトッピングされた格好の被写体にもなっている。
 本書を企画するにあたり、僕はありきたりのラブホテルの写真集にはしたくなかった。著者のラブホテルに対する溢れんばかりの愛情を表現するため、僕は一つの提案をした。
 「那部さんが撮り溜めてきた写真をまとめて、すべて一つの大きなラブホテルと仮定した写真集なんてどう? ホテルのパンフレットみたいにしてさ、館長になった那部さんがラブホの魅力を紹介するの」
 それがそのまま本書のコンセプトとなった。本書には現役と廃墟が混在したラブホテルの写真が収められているが、そのすべてが館長の好みを集めたベストセレクションとなっている。この頁をめくると待ち受けている那部亜弓ワールドにお付き合いいただき、そしてお楽しみいただければ幸いである。
(東京キララ社)

那部亜弓(なべ・あゆみ)
千葉県出身在住。大学在学中、親の死をきっかけに廃墟に目覚める。2018年頃から廃墟だけでなく現役のラブホテルの撮影も始める。現在はトークイベント、写真展、ホテルの見学会、カップルの出張撮影などを実施している。また閉店したラブホテルから回転ベッドを自宅に移設。昭和のラブホテルに魅せられ、またその魅力を伝えるべく様々な活動を行なっている。

判型:A5判/128ページ

Format:BOOK
Label:東京キララ社 (JP)


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