ZVIZMO / II
悪霊退散!伊東篤宏のノイズとテンテンコのビートから立ち上がる、もうひとつの都市型呪術音楽。 日本列島の都市空間において「民族音楽」が新たに生まれるとすれば、それは一体どんな形をしているのだろうか。ZVIZMOのセカンド・アルバムを聴きながら、ひょっとしたらそれはこんな感じなんじゃないかと思った。テンテンコのビートに土着的な要素は一切ないけれど、装飾を排した不穏なリズムは時に呪術性をまとい、強烈な低音には霊性が宿る。伊東篤宏の操るOPTRONのノイズがまるで盆踊りの囃子のように聴こえることもあるし、南西諸島の神唄にように響くこともある。「Killller FxxxxxK」であの声を聴かせるK-BOMBは、さながら祭祀における祭司。「MAVO」におけるテンテンコの歌は、遠い異国の子供たちが口ずさむわらべうたのようだ。神なきコンクリートジャングルにおける神降ろしの儀式。音楽と非音楽の間に、闇と光の間に、ハレとケの間に、この世とあの世の間に漂うなにかが音となって現れ、私たちをディストピアの向こう側へと導く。めまいがするほど強烈! 大石始(ライター) ZVIZMO 蛍光灯音具OPTRON(オプトロン)プレイヤーの伊東篤宏と、ポップ歌謡からノイズまで縦横無尽に活躍するテンテンコによるデュオユニット。17年11月にBlack Smoker recordsより1stアルバム『ZVIZMO』リリース。18年6月に、佐藤薫(EP-4)監修による新レーベルφononよりエレクトロ・コンピレーション『ALLOPOIETIC FACTOR』に参加。 1. molluskan beat 2. nocturnal intake 3. Groomy Walrus 4. herbivore's train 5. intermission-トリバネ蝶 6. 蟹光線 7. Killller FxxxxxK feat. K-BOMB 8. Archaeopteryx 9. MAVO 10. electric bat crash! recorded in 2019-2020 @Ochiai Soup rec & mix and mastaring by noguchi taoru design by Kosuke Kawamura art work by Atsuhiro Ito Format:CD Label:BLACK SMOKER (JP)