Minoru SATO (m/s, SASW)+Ami YOSHIDA / COMPOSITION for voice performer (1997 and 2007)
物理的な現象とその概念をテーマに制作活動を行うレーベル『WrK』を運営してきた佐藤実(m/s, SASW)が、ハウリング・ヴォイスという特異な奏法の使い手である吉田アミのために1997年に作曲・録音された作品‘COMPOSITION for voice performer’が10年の時を経てリリース。10年後の2007年にも再び同じコンセプトで録音され、作品のもつ多様さを再認識することになるとともに、この10年間における吉田アミのハウリングヴォイスの変遷もが垣間見えるCDとなりました。 以下、佐藤実さんによるCDのテキストの日本語版。 「‘COMPOSITION for voice performer’は即興的なヴォイスパフォーマンスをテーマとして扱うものである。 まずパフォーマーに、ある特定の演奏構成を意図してもらう。つまり演奏行為として、目標とする演奏の性質が再現可能であると想定された「発声による演奏」を考えてもらう。つぎにその演奏を数回繰り返し個別に録音する。録音された演奏は、演奏者が目標とする「パフォーマンス作品」という意味で、何れも同等な作品である。しかし、当然即興と言う抽象性の高い演奏であるから、毎回微細な違いが生じる。 最終的にこれらの録音素材を編集段階で幾つも重ね合わせる。この作業を通して‘COMPOSITION for voice performer’では、演奏者により意図された「パフォーマンス作品」の性質と、再現ごとに発生する細かな変化が明示されるであろう。 この作品はヴォイスパフォーマーである吉田アミのために作曲した。 ―――佐藤実(m/s, SASW)」 Format:8cm CD Label:ao to ao (JP)